終わりのない童話
山田洋次監督の映画、「幸福の黄色いハンカチ」は、よくご存知と思う。
そう、高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり、さんたち出演の、
北海道を舞台にした、男女の愛を描いた作品。
何枚もの黄色いハンカチがはためく、ラストシーンが感動的な、
あの有名な映画だ。
この映画、「幸福の黄色いハンカチ」を見ていた時、
「草笛」を吹くシーンが突然出てきたので、驚き、嬉しくなった。
みなさんは、気が付いただろうか?
ご覧になってない人、気が付かなかった人は、DVDでも借りて、
捜してみて欲しい。
● ( ヒント )
北海道の、「とある牧場の中」。
赤い車「マツダファミリア」が、原っぱに停まっている。車の中に、
武田鉄矢と、桃井かおりの二人。 武田鉄矢が懐かしそうに「草笛」を吹く。
「故郷の廃家」のメロディー。 なかなかいい。
桃井かおりが云う。 「草笛うまいんだねえ、
ちっちゃいとき、やっぱり、そんなことして遊んでた?」
武田鉄矢がそれに答える。・・・・・このようなシーン。
岐阜県瑞浪市釜戸町にある「白狐温泉」での同窓会に出席するため、
新居浜から名古屋までやってきた。
釜戸は、JR中央線で名古屋駅から1時間足らずの所だが、
自然いっぱいの、静かでのどかな田舎町といったところだ。
たっぷりと時間があったので、釜戸駅から宿までは歩いて、
自然を散策しながら行くことにした。
新大阪より一緒になった友人に、「草笛」の指南をしながらの散策だ。
野生の「カシの木」が、道端のいたるところに自生しているため、
楽器の調達には事欠かない。
やっと音が出た友人は、子供のように、はしゃいでいる。
途中、「釜戸の大岩」のところで、「大きな古時計」を吹いていると、
小学生の女の子たち3人が近づいてきた。
「おじさんたち、何を吹いているの?」。 興味津々だ。
さっそく彼女たちにも、「カシの葉っぱ」を500円玉の大きさにカットして、
「草笛葉っぱ」を作ってあげた。 「草笛教室」の始まり始まりだ。
短時間では「草笛」の音を出すことは出来なかったが、
きらきらと瞳を輝かせながら、懸命に音を出そうとしていた彼女たち。
今頃は、きっといい音色を出しているに違いない。
ある知人から質問が来た。 「草笛って何ですか?」と。
ショックだった。 「草笛」なんて、誰でも知っていると思っていたから。
私は、
「木や草の葉っぱを唇に押し当ててメロディーを吹くもの」という意味で、
「草笛」という言葉を使っている。
広辞苑では、「草笛」を次のように説明している。
「草笛」 : @くさかりぶえ。 A草の葉をまるめて作った笛。
また、一方に節のある麦の茎の中程を破って作った笛。
B民間の祭囃子などに用いる七孔ある横笛。 しのぶえ。
雅楽用の横笛に対していう。
おや!
私が使っている意味での表現が見当たらない。
葉っぱを唇に押し当てて鳴らす笛は、
広辞苑には、「柴笛」とある。
「柴笛」 : 巻葉の笛の一。
シイ・カシ・南天またはマサキ・ツバキの若葉の縁を唇にあてて
吹き鳴らすもの。
でも・・・
あまり厳密に考える必要は無い。
草や木の葉っぱを使って吹き鳴らす笛、さらには、
プラスチックシートなどの代用品を使ったものも、
すべて、「草笛」でいいと思う。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
是非もう一度観てみたいと思っていたところ、最近手に入れることが出来た。 わくわくしながら、早速観てみると、
「草笛演奏」もさることながら、
ドラマ自体もすばらしい作品に仕上がっており、
初めて観るような新たな感動を受けた。
初老の男性(石堂淑朗)の吹く草笛が、郷愁のある音色で、
「くるみ割り人形」のテーマを歌い上げる。
「ツツツ、テテテ、トトト、ツタレタルー、チュワルー!」・・・ いいねぇ。
書きかけの童話の原稿を捨てる初老の男性・・・ 津雲浩太郎。
それを拾って、家に持って帰る若い戦争未亡人・・・ 寺崎かなえ。
「童話の続きを書いて欲しい。」と、何度も頼む彼女に、
「どうして、こんな僕の童話、気にするんですか?」 と浩太郎(石堂淑朗)。
「草笛のせいです。津雲さんの草笛、聞いてしまって・・・くるみ割り人形・・・
ホッとするんです。」 と答えるかなえ(田中裕子)。
初めはまったく音の出なかったかなえ(田中裕子)の草笛だが、
たどたどしくも、浩太郎(石堂淑朗)と一緒に、チャイコフスキーの
このテーマを吹けるようになっていく。
田中裕子の熱演が、胸に沁みる。
「草笛」を使ったこのドラマ ・・・ 是非ご覧になっていただきたい。
● 釜戸にて
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
● 幸福の黄色いハンカチ
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
● 終わりのない童話
向田邦子さん原作の「終わりのない童話」は、ご存知だろうか?
田中裕子、小泉今日子、石堂淑朗、加藤治子さんたちが出演していた
テレビドラマだ。
私が「草笛」を習い始めの頃のある日、
「お父さん!お父さん! テレビで草笛を吹いているよ!」と
妻が呼びに来た。 急いでテレビの前に来てみると、
主演の田中裕子が草むらの陰に隠れて、草笛の音色を聞いている。
草笛を吹いているのは、どことなく寂しそうな感じの
初老の男性(石堂淑朗)だ。
チャイコフスキーの「くるみ割り人形」のメロディーが、わびしく切なくも、
上品な感じで流れている。
『誰が吹いているんだろう? すごいなあ!』 と感激した。
若い戦争未亡人の田中裕子が、
60は過ぎていると思われる嘗ては左翼活動家の大学の先生だった
石堂淑朗の、普通の男女の愛とは違った何かに、
次第に惹かれていく。
そして彼女自らも草笛を習い始める。
ドラマの詳細はあまり覚えていない。
「草笛」に関するところは、妙に記憶に残っている。
向田邦子さんの原作はまだ読んでいないが、
ドラマのなかで「草笛」を使ってくれたことが、とっても嬉しい。
『ひょっとすれば、向田邦子さんは「草笛」が吹けたのではないのか?』
などと想像している。原作をさがして、是非読んでみたい。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
●・・・・・ このドラマのDVDがあることを知った。
● 「草笛」って何ですか?